kaito akimoto  
  


 
 
India diary

26歳の映画 「 深い河 」 以来、8年ぶりの インド
アガスティアの葉、サイババのアシュラム、
アガスティアの葉・第13章の浄化の巡礼
アガスティアの葉の著者・青山圭秀氏との出会いなど
インドでのディープな体験を綴っています

最終日には 「シュカの書」 アガスティアの葉に、
勝るとも劣らない、古代の葉との出会いもありました



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第1日 2002年1月14日 南インド バンガロール 晴れ

1月13日12時成田を出発
約20時間後の1月14日朝4時バンガロール空港着
狭い機内に閉じ込められっぱなしでかなり疲れた
へとへとである
空港から一歩、外へ出ると懐かしい感覚が蘇ってきた
8歳から10歳まで住んでいたパキスタンそして
7年前、映画「深い河」に出演したときにベナレスに滞在した
40日間、同じ匂いがした
朝4時、思っていたより涼しい
これから約40日どんな旅になるのだろうか

今回は八十八箇所の時と違い二人旅である
通称・春さんとの旅である
実は彼のことはあまりよく知らない
今回で顔を合わせるのは4回目である
私にとってはかなりミステリアスで興味をそそられる人物
である
四国巡礼中に竹林寺を下ったあと
私は彼に首の痛みをとってもらった
その時に出た話が今回の南インド巡礼の旅だった
自分でも本当に実現するとは思っていなかった

空港からタクシーを走らせホテル探しをする
約10件程のホテルを下見し安く周りの環境のよい
ところをチェックする
同時にネット接続可能なのかどうなのか実際部屋をみて
モジュラージャックの形状など丹念に調べていく

最終的にハイゲイツホテルという1泊、約2000ルピー
1部屋日本円で6000円のホテルに落ち着くこととなる
約2時間程探し廻って決めた場所だ

値引きの交渉を20分かけて取引しチェックイン
部屋に入り荷を下ろす
長旅の疲れがどっと押し寄せる

ここで事件発生である
電話を取り上げてみると
反応がない
フロントに春さんが問い合わせると
すごい答えが返ってきた
全館電話停止中だそうだ
そんな落とし穴が待っていようとは夢にも思わなかった
モジュラーを調べコンセントを調べ完璧だと思っていた
ネット接続可能だと思っていたのによりによって電話自体が
不通なのでは話にならない
接続するための設定、道具すべて揃えてこの有様である
お先真っ暗だ

しかしもうホテルを代える気力は二人ともなかった
ここはインドだと思いあきらめた
そのうち直っているだろう、という感じである
思いどうりにはいくわけがない
日本ではないのだ

シャワーを浴び10分の仮眠をとる

激動の日々の幕開けである

 

第1日 第2部 1月14日  快晴  バンガロール

仮眠を10分取ったあといきなり行動開始である
シャワーを急いで浴び出かける用意をする
たった10分の仮眠でも体は回復しつつある

ホテルのタクシーを使いアガスイティアの葉の館へ向かう
アガスティアの葉というものをご存知だろうか?

詳しくは著者、青山圭秀のアガスティアの葉(三五館)を参考にして
頂きたい

約5000年から7000年前にインドに生存していた
聖人アガスティアという人物が個人、個人の人生
の予言書を後世に書き残したものである
そこには過去世、今生、来世についての記述まであるらしい
といっても世の中の全員の分があるわけではなく
誰がアガスティアの葉に興味を持ち誰がその葉を見に
くるかまでを見通し書き残したらしい

アガスティアの葉は全部で15章に分かれており
第1章がジェネラル・カンダムというもので個人の
今生のおおまかな人生について書かれている

その後ののこり14章はさらに細かく仕事
のこと家族のこと結婚のこと災難を避ける方法
病気、財産、旅行、など様々な章に分かれる

今回メインとなるのは第1章のジェネラルカンダムと第13章
のシャンティー・プログラムである
この第13章はその個人が過去世に犯した罪や因縁がどのように今生に
影響しているのか
そして今生でその影響を解くにはどのお寺を巡礼すればよいのかが
記されている

まず私自身の葉を検索しそのあと春さんが代行する25人分
の葉を検索する
春さんは見えない霊妙な世界に導かれて
アガスティアの葉と縁をもつようになった
そして身代わりでインドに来たくてもなかなかその縁に
めぐり合えない方々や色々な諸事情により本人がどうしても
インドを訪れられない人のために替わってインドを訪れ
アガスティアの葉を検索しその人の人生がよりよく
なるよう力を尽くしている方である
1章、13章を検索しどのお寺を巡礼すればよいのかを
調べその方々に替わって巡礼をするのである

今日から3日間ほどかけて私と春さんで約30人分の葉を
検索する
葉は古代タミール語で書かれているので現代タミール語に訳してもらう
必要があり、その代行で検索した葉が示す巡礼すべきお寺(13章)がどこなのか
のリストができるまで約1週間

その1週間の間にサイババを訪問する

その後、巡礼すべきお寺のリストをもらい受け約3週間
の巡礼を開始する
お寺とお寺の距離がかなり離れているのでタクシーを雇い
巡礼することになる
場所によっては1日中車を走らせてもそのお寺に着かないことも
あるらしい
巡礼はタミルナルドュウ州が中心になるらしい
四国八十八箇所歩き遍路の51日も大変だったが
南インド巡礼も予想が全くつかないものになりそうだ
合計約40日の旅になる


そして目指すべきアガスティアの葉の館に到着した
この館には約1万人分の葉が保管されているらしい
わざわざ日本から来たということで休日を返上して
待っていてくれたらしい

古代タミール語を理解し葉を検索する方をナディリーダーという
彼の家系も代々続くナディリーダーである
人懐っこい顔をしたチャーミングな方である

約3畳ほどの小さな部屋の中
「では始めますか」と顔で私に問い掛ける
黙って私もうなづく

まず右手の親指の指紋をその場でとる
いよいよ始まった
インドに着いたその日からいきなり濃い体験を
することとなった
男性は右手、女性は左手の親指の指紋が必要となる
親指の指紋の形状によりある程度のタイプに分類されるらしい
数分後ひとつの葉の束を手にナディリーダーが部屋に戻ってきた

これが7千年も前から受け継がれている葉らしい
葉を縛ってあるひもを解きさすやいやなたたみかけるように
質問がはじまった
「あなたは第1子か?」
「YES」
「両親は健在か?」
「YES]
「大学は卒業したか?」
「NO」
「兄弟はいるか?」
「YES]
「父は再婚しているか?」
「NO」
たたみかけるように質問が飛んでくる
葉を見ながら該当しないと思われた葉は
次々と捲っていく
「帝王切開で生まれたか?」
「I don't know」
「弟は結婚しているか?」
「NO」
「母の名はまさこか?」
「No」
具体的な質問へと移行していく
「あなたの名はな行ではじまるか?」
「YES]
しかしなかなか確信へとまだ到達していない感じである
そうこうしているうちに一本目の葉が終わってしまった

この館に本当にあるのかと不安になってくる
私の指紋から検索される束があと5本あるらしい
その中になければここにはない
緊張が走る

2本目の束に入った
「おまえの名はのりひとか?」
「YES]
「母の名はまゆみか?」
「YES]

細かいところがどんぴしゃでくる
いやがおうでも興奮してくる
いよいよかと思われた
しかし父の名が一致せず
葉が次々と捲られていく
結局かなり確信まで近づいたがすべてが一致せず
2本目も終わってしまった

3本目にはいり約2時間経過している
2時間半ほど経った頃だろうか
「父の名はりようたか?」
と聞いてきた
父の名は良太である
興奮しつつ
「りょうた」だという
漂う空気が変化してきた
「名はのりひとか?」
「YES]
「父の名はりょうたか?」
「母の名はまゆみか?」
ことごとく一致したその時
1968年4月28日生まれかと聞いてきた

すべてが一致した
突然の劇的な幕切れだった
とうとう出た、という感じだった

印象的だったのは名前、家族の名前、生年月日
ほとんどの一致がありながら父の名が「ますみ」
だったり

同じ「のりひと」という名を持ち同じ父母
の名を持ちとうとう私のアガスティアの葉が出たか!!
と思われたとき
「1978年生まれか?」
と聞かれたときである

しかしこの葉は本当に7千年前に書かれており
私の葉なのだろうか
今自分に起こっている出来事が不思議でならない
もし本当に7千年も前に書かれているのであれば
私は生まれる環境や両親、仕事をも生まれる前
から決めてきていることになる
生まれてくる日まで決まっていたことになる

そんなことが本当にあるのだろうか
一般常識が覆ってしまう体験である

いずれにしても帰国する何日か前には
古代タミール語ー現代タミール語ー英語へと訳されてくる
その結果をみればもうすこし頭の中の整理がつくかも
しれない

初日から凄い体験をしてしまった
このさきあと39日なにが待ち受けているのだろうか

 


第2日 2002年1月15日  快晴 
 

昨日は私自身の葉を発見したあと
春さんの持参した代行の分の検索を見学
させてもらった
生年月日、名前、両親の名前、仕事、健康状態、妻の名
などの情報をたよりに葉を検索していく
いずれも日本から代行するひとの指紋を持参しての
ことである
指紋なしには何も始まらない
ここが不思議なところである
なぜ指紋なのだろうか

そして指紋から検索していくと何故
すべてが一致するものがでてくるのだろうか?
宇宙は不思議である
見えない世界、無形の世界には一定した法則があるのだろうか?
もしあるならば私自身はその法則をどうしても知りたい
なんらかの一定した法則があるのではないだろうか
とずっと考えているのだがその答えはなかなか
見つからない
今回の旅で少しでもそんなことに触れられればと
思っている

15日もひたすら検索をかけていく
とりあえず第1章のジェネラルカンダムが見つからないと
第13章のシャンティープログラムでどのお寺を巡礼すればよいのかが
でないのである
まずは第1章なのだ
私の葉のあとは春さんの25人分の葉を一気に探す

お金儲けで日本でも葉の検索の代行を行う会社や人は沢山いるが
春さんの代行する人の気持ちにたったうえで検索に望むその姿勢には
頭がさがる
普通は代理で検索して「はい終わり」である

全く儲けはなし、そのうえ3週間もかけて南インドのお寺
を身代わりとなって巡礼までするのだからすごい
本当に代行する人の人生のことまで考えているように
みてとれる

私がひとつ楽しみにしているのは巡礼が終わったあと日本にいる
代行をお願いした方々の人生がどう変化していくかということである
そこには一体どんな奇跡が起こるのだろうか?

昨日、今日とナディリーダーの奥さんの手料理をご馳走
になる
これが実はとんでもなくうまい
本当にうまい
こんなにおいしいカレーにあたったのははじめてである
しかも2日間とも実にうまい
日記を読んでくれているみなさんにも食べて頂きたいほどである
冗談抜きでカレー屋を開いてもらいたいくらいである

今日の葉の検索を見ていて驚いたのは
指紋を渡してひとつ目の束の1枚目の葉で生まれ年と生まれ月が
ぴたりと一致したことである
常識では全く理解できない

夕方6時まで検索をかけてこの日はホテルへ戻った

前日、ようやく日記を送ることができた
ネットに接続すること自体が至難の業である
ネットカフェはあるのだが日本語がよめなかったりといろいろ
とややこしい
やっとホテルの電話が復旧したと思ったらずっと
外線が話中だったりとメールをおくることができない

外線がようやくつながり
ipassを使い今日いる市内バンガロール局につなげようと
するとすべて回線ビジーで接続不可能である
結局、マンガロールという市外に接続することで
やっと初日のメールを送ることができた

ところがマンガロールというのは他州で
通話代が非常に高く初日のメールと動画を送るのに
6千円近くかかってしまった

 

第3日 2002年1月16日 快晴  バンガロール プッタパルティー

今日も朝からアガスティアの葉の検索である
午前中にはじめて12時頃にはすべて終了した
合計30人分の検索終了である

これから約1週間シャンティープログラムで
どこを巡礼すればよいのかのリストがあがってくるのを
待つことになる

その時間を利用してサイババの聖地のプッタパルティー
を訪れることにする
今いるバンガロールから車で3時間半のところにある
雑事を済ませている間に出発が20時半になってしまった

タクシーに乗りプッタパルティーに向かう
疲れが溜まっているのか走り出して30分後には
寝てしまった
かなり車が揺れるので途中、何気なく起きたり寝たり
を繰返していた
春さんとドライバーとの話声で目が覚める
どうやら着いたらしい
時計を見ると11時半だった

周りは静まり返っている
早速ホテルにチェックインするため受け付けへ
青年が何故今日プッタパルティーに来たのだと
春さんに聞いている
どうやら今朝4時にサイババはプッタパルティーから
ホワイトフィールドという場所に移動したらしい
その場所は3時間前にいたバンガロールの近くである ここにいても仕方がないということでタクシー
でそのまま戻ることにする
ところが運転手がごねだした
このまま直ぐ運転しては眠くて事故を起こしかねない
という
どうしても休みたいというので朝3時半まで仮眠をとり
朝4時に出発することにする
結局500ルピー払って3時間程
部屋で仮眠を取らせてもらうこととなった

明日の朝はホワイトフィールドでサイババに会える予定である
神の化身と言われている、その人に生で会うと
一体どんな感覚になるのだろうか
暴露本に書かれているように偽者だと感じるのだろうか
それともサイババの中に神性を見出すのだろうか

実は7年前に映画「深い河」に出演したときから
サイババには深く興味を抱いていた
実際に自分の目でサイババに会い自分がなにを
感じるかということに関心があった
この映画に出演したときは他の今まで
やってきた仕事と違い何故か導かれて
インドに行かされている気がしていた
無形の世界からの導きを感じていた

ただこのときは撮影地がベナレスでサイババのいる
バンガロールからかなり離れていたのと撮影地を離れられなかった
のでサイババに会うことが出来なかった
結局その後、7年間インドを訪れる縁がなく
今日に至った
四国八十八箇所を巡礼している最中の縁で
インドに再びくることができた

自分の中では四国八十八箇所と南インド巡礼
は完全にリンクしている

明日が待ちどおしい

 

第4日 2002年1月17日 快晴  プッタパルティー ホワイトフィールド

朝3時30分に起きる
目覚ましをかけ忘れたのだがすっと目覚めた
興奮してるのだろうか

春さんはまだ寝ている
私に対する気遣いで疲れているのだろう
私のトイレにいった音で起きたようだ

早速、運転手を起こし出発した
また昨夜きた3時間半の道のりを弾き引き返す
こととなる
二人ともまだ疲れているのか
直ぐに眠りに落ちてしまった

どれくらい走ったろうか?
車が急に停止した衝撃で二人とも
目覚めた
外を見ると真っ白である
深い霧が立ち込めている
5メートル先も下手をすると見えない

運転手はこれ以上は危なくて
進みたくないと言っている
しかしその脇を何台もの大型トラックが猛スピードで通り過ぎていく
それを見た春さんがあのトラックの後ろに着いていけば
大丈夫ではないかといっている

気合の入った春さんを見るのは初めてである
運転手は怒ったのか
大型トラックのうしろにびたびたにくっついて
走り出した
なにもそこまでしなくてもいいのに・・・

それから快調に走りつづけ朝7時ごろだろうか
もうかなりサイババのアシュラムに近づいた頃である
運転手が車を左に寄せ振り返りながらエキストラ料金の
交渉をしだした

これには春さんまた気合が入った
「何故止めるのだ!行くのだ!」
この迫力に押され運転手はまた猛スピードで走り出した
インドではなにかというと交渉である
本当にエネルギーを使う作業だ
春さんが怒るのも無理はない
8時を過ぎるとダルシャンが終わってしまう
サイババに会えないということである
加えて運転手には普通よりも多めの金額で交渉済み
だったのでその厚かましさに腹がたったのだろう

時刻7時半ホワイトフィールドのサイババ
のアシュラムに到着
直ぐに近くのホテルにチェックインする
これが思ったよりかなりいいホテルであった
できたばかりなのかとてもきれいな部屋なのだ
しかもお湯のでるシャワー付き
しかしホテルといっても電話はない
しかしこの清潔さで二人で泊まって400ルピー(1200円)
ならば満足である

その部屋に二人して満足をしすぐさま
荷物を置きサイババのいるアシュラムへと向かう
ダルシャン(サイババが現れて祝福を与えながら
歩かれる)
にはまだ間に合う

8時ちょっと前、アシュラムの門前までやってきた
大きな中央のゲートの左右の脇に男性用の入り口
と女性用の入り口が分けられている

その脇の小さな入り口から簡単なボディーチェックを受けて
中に入る
思ったよりも簡単なチェックだ

アシュラム内は外とは別世界だったとてもきれいである
街中では時として排気ガスやほこり、不清潔さに頭がくらくら
するのだがアシュラムの中はあからさまなくらいの差があった

もう既に大勢の人たちが整然と列を作って座らされ
サイババのダルシャンを待ちわびている
我々もサンダルを脱ぎ早速、列に加わる
もう遅い時間だったのでほぼ最後列に並ぶこととなった

列に加わり周りを見渡して驚いたのは
外国人の多さである
世界各国から様々な人種そして様々な宗教をバックグラウンド
にもっているであろう人たちが沢山いる
この場では各々の宗教そして人種の垣根が全く
ないように感じられた
世界中から人が集まっていた
凄い迫力である

私の座っている最後列の場所からサイババが現れるであろう
場所まで約200メートル、かなり遠い

周りを見回したりしながらその時がくるのを待っていた
スピーカーから妙な音が流れ出した
アシュラム内がざわめきだした
と同時に「オーム」という地響きのような合唱が起こった
みなが左前方のほうを首を伸ばしながら
みている

その人はもう現れているのだ
しかし私のいる場所からは雰囲気は伝わってくるのだが
なにも見えない
2,3分たったろうか
オレンジ色のローブをまといゆっくりとこちらに向かってきている
微笑みを浮かべ皆から差し出される手紙を受け取りながら
歩まれている
思ったより小柄で写真で見たとおりの頭、顔だ

私はその人の一挙手一投足をただじっと見ていた
100メートルぐらい近く来たところで一度立ち止まり
こちらのほうに手をかざし祝福を与えつつ、また歩まれて
行ってしまった
豆粒くらいの大きさにしか見えない

正直、何もピンとくるものがない
心の中はただ空白だった
無心だった
特別、感動もなくなにがなんだか
さっぱりわからないといった感じだった

ただサイババが現れたときのアシュラム内の空気には
独特のものがある
そこに集まっている人々の信仰心の厚さを
感じずにはいられない

なかば呆然とした状態でアシュラムをあとにした
自分自身のこの反応には自分でも驚いた
何か感動があったり、失望があったりするのかと
思われたが空白になるとは思わなかった

ダルシャンの最中、一時右方向で空気が騒然となっていた
男が取り押さえられて5,6人のセバダルという警備員に
連れて行かれていた
あとでわかった話だがこの男はピストルを持っていて
サイババの暗殺を企てていたらしい

普通は真っ先にサイババを保護し安全な場所に移動させるのが
常識だろうが、そんなことは全く関係なくサイババは
平然とダルシャンを続けていた
普通では考えられない

ホテルにもどり荷をほどきしばし休んだ
何時の間にか眠ってしまっていた

外で夕食、当然のごとくカレーを食べ寝床に戻った
右手でスプーンを使わずに食べるカレーにも慣れてきた
シャワーを浴びようとしたがお湯が出ない
今朝はお湯は出ると言っていた
よくよく話を聞くと夕方から朝まではお湯は出ないという
全く出鱈目な話が多い

普通では考えられない

 


第5日 2002年1月18日 快晴 ホワイトフィールド

朝5時起床
今日もサイババに会うべく
ダルシャンに向かう準備をする
蛇口をひねって何分たってもお湯が出ない
結局、お湯はでない

ボーイにバケツにお湯を入れてきてもらい
小さい桶で体に浴びせかける
これが意外と気持ちがいい
くせになりそうだ

準備を済ませアシュラムへ
昨日の暗殺未遂があったせいか
ボディーチェックが昨日より厳しい
それでも「こんなんで、いいのかな?」
という感じではあったが・・

昨日よりはかなり早めの時間に入っているため
今並んでいる列に関してはくじ引きがあるらしい
列の先頭の者がくじをひきいい番号順にいい場所
に座れるという仕組みだ
この日は昨日よりもかなりいい位置に座れることと
なった
サイババが歩く道筋は決まっているので昨日
よりもかなり近い場所からその人を見れるということ
がわかるのである

そしてスピーカーから流れる音楽とともに
その人は現れた
アシュラム内が異様な空気に包まれる
そして遠くから右手の手のひらを上に向け
くるくるとまわしながら近づいてくる
約10メートルくらいのところまで近づいている
立ち止まり集まった人たちに対し右手を
かかげ祝福を送っている
昨日に比べてはるかに至近距離である

その時である
ほんの一瞬だったが目が合った気がした
心臓がドキッと反応した

その後、直ぐにまた歩みだし
またしばらく行ったところで立ち止まった
右手をしたに向けてくるくるとまわしている
もしやと思ったその時、その右手から聖灰が出ていた
その人が立ち止まっていたいた一帯は騒然となっている
すこしでもその聖灰に肖りたいのだ

なにかが徐々に近くなってきている
妙な感覚である

午後からはネットカフェなどいろいろとリサーチをする
泊まっているホテルは部屋に電話がないため
自分のノートPCを接続するための手段を探さねばならない
まずホテルの主に家の電話回線を貸してもらえるよう
お願いするのだが、いくら説明してもちんぷんかんぷん
らしく首を縦にふらない

ネットカフェに行ってはみるものの貸すコネクション
などないと断られる
カフェのパソコンを使えばメールチェックはかろうじて
出来るのだが日本語を打ち込んだりは出来ない
結局、自分のノートPCに書き溜めた日記をなんらかの
方法で送信するしかない

ネットカフェをあきらめ電話屋へいく
インドでは各家庭すべてには線が通っていないため
電話屋が沢山、存在する
そのうちの一軒に交渉しモジュラーを貸してもらえる
こととなった

モジュラーを自分のノートにつなぎ
IPASSを使って今いるバンガロール市内へ
と電話をかける
しかし五つあるバンガロールの電話番号すべて
がビジー状態である
何度やってもだ

そこで市外のアクセスポイントを試みる
初日の日記を送ることに成功した
マンガロールという場所のアクセスポイントだ
電話代がかかるのは承知の上である
しかし前回のホテルのように法外な金額には
ならないだろう
20分後、ネットに接続成功した
急いで書き溜めた日記を送信開始

ところが何故か途中で中断してしまう
何が原因なのかはわからない
結局、成功しないまま100ルピー(300円)
を払い苦い想いでその場をあとにする

今日も送信失敗だった
インドは甘くない

少しづつではあるが
体も変調をきたすことなく
インドに溶け込みつつある
町の騒音、ほこり、物乞い、排気ガス、汚臭
そしてアシュラムの独特の雰囲気
その信仰心が造りだす、場の空気

インド、インド、インドである


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