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(トゥクラ 4620m 、日本語を教えた青年)

2003年3月27日  ペリチェ〜ロブチェ  day 5
               (4260〜4910m)

ラムカジが今日は行程がきついので朝飯を
ちゃんと食えという
彼に従い、スクランブル・エッグとミルク・コーヒーを頼んだ
運ばれてくるのが遅く
トレッキングのスタートは8時半となった

ペリチェ4260mから4830mのトゥクラまで快調に歩く

自分のペースと呼吸法を掴んできたのであろうか
標高差700mを無理なくこなす

高山病の気配もない
逆に高度を少しずつかせいでいる
自分が楽しい
エベレスト・ベース・キャンプまで辿り着けることを確信した
それほど快調に歩いていた

ところが今日の目的地ロブチェ4910mに辿り着くであろうたった
20分ほど手前の4880m(腕時計の高度計)を過ぎたあたりから
急に苦しくなった

今までの快調さが嘘のようである
激しい目眩と時おり、吐き気に見舞われた
高度差でたった20mの手前である

何度か意識を失いそうになる
ラムカジが心配そうに見ているが
自分の足元しかみえない

身体は悲鳴をあげ、下山を要求している
何度も気を失いそうになる
薄れいく意識の中で魂だけが
あきらめるな、進めと叫んでいる

その葛藤の中、なんとか足を前へ運んだ
ラムカジが先へ行き、今日の宿を手配し戻ってくる
「宿泊料が高いけど、いいか?」
と聞いてくる

が、意識が朦朧としてわけがわからない
「OK、OK」を連発する

連発したOKのおかげで体内の酸素が薄くなり
また気を失いそうになる

15時なんとか ECO LODGE に辿り着く

ラムカジがお金の清算やら、なんやらで話かけて
くるのだが思考能力が働かない
部屋の中でさえも歩けない
完全に高度障害だ

高度順化作業を怠り、無理をしてきた代償だ

通常なら、ここに来るまでにもう2泊くらいして身体を高度に
なじませるのがだが、無理をして日程を短縮した

とにかく睡眠をとることにした
15時半から16時半まで熟睡した
しかし目覚めたあとも意識はぼーっとしている

その頃ラムカジが晩飯の相談にきた
何を注文するのか聞きにきたのだ
「精をつけろ」
と強引に勧められヤク・ステーキを注文した
身体が消化してくれるかどうか不安である

19時、ヤク・ステーキを喰らう
えらく固い肉だ
結局、全部は食べられず少し残した

私の正面にはエベレスト8848mの頂上を目指す
外人のグループがいる
エクスペディション・チームだ
体つきや目つきがまるで違う
明日からエベレスト・ベース・キャンプに入るようだ

私の予定では、私自身も明日ベース・キャンプ入り
して一泊する予定である

しかし今の私の状態ではおそらく無理であろう
日記を書いている思考もまともに
おぼつかない
もう一泊、この高度でするかベース・キャンプへの
中継地点ゴラクシェップで一泊するかである

明朝、私の身体はどういう状態になっているであろうか
そして私自身どのような決断を下すだろうか
最悪は下山である

高度障害を治すには下山しか
方法はない


(高度障害でめろめろの状態)

 

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